豆腐と健康
Tofu and Health
豆腐はインターナショナルな食材
最近、日本の味噌やしょうゆなどの調味料が海外でもずいぶん使われるようになりました。 実際、英語では、味噌は"miso"または"bean paste"と呼ばれていますし、しょうゆは"soy"または"soy
sause"と呼ばれています。
世界の「tofu」
ところで同じように、「豆腐」もアメリカやヨーロッパで使われるようになってきました。豆腐は"tofu"と呼ばれ、今や世界共通語と言ってもいいほどです。
豆腐が欧米で広く使われるようになってきた理由は、健康食品として注目を浴びたからです。特にアメリカでは、以前から肉の食べ過ぎによる肥満、動脈硬化、
心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病が増加。その対策として、食生活の改善が必要だと言われるようになりました。70年代の後半には、アメリカ上院議会
が「健康を守るには日本食がよいモデルになる」とリポート。それをきっかけとして、アメリカで日本食ブームが巻き起こりました。
日本の食材の中でも、欧米の人たちに受け入れられたのは豆腐でした。それは、豆腐の味にはクセがないために、
新しい食材として受け入れやすかったからではないでしょうか。
はじめの頃は、主に菜食主義者や環境問題に興味を持つ人たちの間で、豆腐が食べられていました。しかし、アメリカ人の健康に対する意識が高まるにつれて、健康にいい食材としての豆腐の存在が知られるようになり、次第に需要が伸びていきました。
とは言っても、豆腐はまだ料理店で食べる特別なものでした。その状況を変えたのは、『ザ・ブック・オフ・トーフ』という本です。
豆腐についての解説と、料理法を紹介したこの本がベストセラーになったことで、ほとんどのスーパーに豆腐が置かれるようになったのです。
今や豆腐は世界共通の食材なのです。
食物繊維たっぷりのおからで大腸ガンの予防を
おからは、豆腐をつくる際にできる豆乳を絞った残りかすです。おからには、「雪花菜」や「卯の花」「きらず」などの別名があり、 古くから日本人の食卓を飾ってきました。雪花菜というのは、中国名の「雪花(シュエホワ)」をそのままとったもの。 「卯の花」の呼び名は、おからの白さが初夏に白い花を咲かせる卯の花の色と似て
いるところから名付けられました。 「きらず」は文字どおり調理のときに包丁を使う必要がないために付いた名前です。
おからの栄養価
このおからは豆乳のしぼりかすですが、食物繊維やカルシウムをたっぷり含んでおり、たんぱく質や炭水化物、 カリウムにも富んだ食材として、ヘルシーフーズの中でも大いに注目を集めています。
まず何といっても優れているのが食物繊維の量でしょう。100g中11.5gは、ごぼうの約2倍に当たります。おからの食物繊維は 「セルロース」という水に溶けないタイプのもの。このセルロースは、腸のぜん動運動を促してくれるので便秘の解消にもなり腸内の 残留物をそうじしてくれますから、大腸ガンの予防にもつながります。
さらにおからには、大豆のカルシウムが多く残っており、さらにゆで大豆の約40%ものたんぱく質が残っているという 優れモノです。炭水化物やカリウムもしっかり含んでいます。この大豆の炭水化物もまた、腸内の健康維持に大きな貢献をしています。 大豆の炭水化物に含まれる豊富なオリゴ糖が、腸内の善玉菌のえさになってくれるのです。
そしておからの最大の魅力は、安価でローカロリーなこと。お惣菜だけではなく、最近はクッキーやケーキなどの お菓子にも幅広く使われています。ローカロリーなのでダイエットにも最適の食材です。
食品成分表について
食品成分表には「おから」は2種類(旧来製法、新製法)表示されております。「おから」は、豆腐製造において呉(ご) から豆乳を絞る際の副産物として得られます。保水性が高くて絞りにくく、「旧来製法」は、水分が約80~83%でした。 最近では豆乳分離機の改良が進み、スクリュープレス方式や回転ドラム方式を用いた方法が広く採用され、「おから」の 水分が約76%となるまで絞れるようになりました。「新製法」は、これらの機械を用いて得られた「おから」です。 上記表は「新製法」の成分表です。
植物性たんぱく質と脂質を含む、豆腐の効果
そしておからの最大の魅力は、安価でローカロリーなこと。お惣菜だけではなく、最近はクッキーやケーキなどのお菓子にも幅広く使われています。ローカロリーなのでダイエットにも最適の食材です。
たんぱく質を豊富に含む豆腐
ご存じのように、豆腐は大豆食品なので、たんぱく質をたっぷり含んでいます。しかも、消化吸収率が高いので、胃に負担がかからないのが特徴です。
冷や奴でビールを1杯、というのはうまいものですが、実は理にかなったたんぱく質の取り方だというわけです。
また、子どもは夏に冷たい飲み物や食べ物を取りすぎて、お腹をこわすことがよくあります。そんなときの体力回復に役立つのがたんぱく質です。
豆腐はたんぱく質を補うとともに、90%を占める水分が、脱水症状を防いでくれます。ただし、冷や奴などは、あらかじめ豆腐を湯通ししておくことがポイントです。
中国の古い本に、酒を飲み過ぎて身体にまだらができたら、豆腐を熱して薄く切って貼るように、と書かれています。本当に効果があるとは思えませんが、
日本にも豆腐が飲み過ぎに効くと書かれたものがありました。江戸時代の書である『本朝食鑑』によれば、「豆腐は酒毒を解する」とされています。
アルコールを分解するのは肝臓ですが、良質のたんぱく質は肝機能の弱まりを補うので、間接的に役立っていると言えるでしょう。
豆腐が健康食品といわれるのは、植物性の脂肪をたんぱく質に次いで多く含んでいるからでもあります。植物性の脂肪は不飽和脂肪酸で、コレステロールを少なくする働きを持っています。同じ脂肪でも動物性のものは、飽和脂肪酸を含み、血液中のコレステロールを増やしてしまいます。コレステロールは、肥満、動脈硬化、心臓病など、成人病の原因です。成長期の子どもの肥満解消にも、豆腐を与えるといいでしょう。たんぱく質は、動物性1:植物性2の割合が効果的といわれています。
豆腐のたんぱく質は、女性の美容にも効果的
多くの女性は、いつまでも若々しいなめらかな肌を保ちたい、と願っています。豆腐はそんな女性たちにこそ、たくさん食べてほしい食品でもあります。
豆腐に含まれる植物性たんぱく質
皮膚の細胞を作っているのはたんぱく質です。この細胞は、およそ4週間のサイクルで交替し、古い細胞から新しい細胞へと、たえず変化しています。ですから、人間はつねにたんぱく質を補給しなければなりません。しかし、動物性のたんぱく質を取ると、同時に飽和脂肪酸を含む脂肪も吸収されます。すると、過剰な油が皮膚から分泌されて、毛穴が大きく開いてしまうのです。なめらかな肌を保つには、豆腐をはじめとする大豆食品の、植物性たんぱく質をとる方が効果的なのです。
また、女性に多い便秘も、肌のトラブルの原因となります。腸の働きを活発にするためには、繊維質を取ることが大切ですが、豆腐の副産物であるおからには、食物繊維がそのまま残されています。豆腐と一緒におからを食べることは、肌にとって理想的だと言えるでしょう。
豆腐は女性の生理時にも最適です。生理の時はイライラしたり、不快感がつのったりすることがありますが、豆腐に含まれるカルシウムやビタミンB類は、気持ちを落ち着かせるという働きを持っています。精神が安定することで、イライラが解消されるというわけです。また、生理の時に肩こりや手足の冷えを感じる人もいますが、湯豆腐にすれば体が温まり、手足の冷えも緩和されますし、豆腐が含む不飽和脂肪酸は、コレステロールを減らすので、血液の循環もよくなります。
妊娠時のつわりで食欲不振のときも、喉ごしのよい豆腐は強い味方です。胎児の発育のほか、子宮や胎盤、羊水の組織の維持、増殖に、たんぱく質は不可欠な栄養素です。たんぱく質を多く含む豆腐は、食べやすいというだけではなく、栄養的な面からも妊婦におすすめの食品なのです。
豆腐料理は長生きの秘訣
沖縄県は長寿県として知られています。その沖縄県で、県民がどのような形でたんぱく質をとっているかが調査されたことがあります。すると、豆腐が2、魚が1、肉が1の割合であることがわかりました。
たんぱく質は必要不可欠の栄養素
たんぱく質は、細胞の成長・維持、筋肉を動かすために必要な栄養素です。また、遺伝子、ホルモン、消化酵素、免疫をつかさどる抗体はすべてたんぱく質でできています。つまりたんぱく質は、私たちが生きていく上で必要不可欠の栄養素なのです。
ところでたんぱく質をとろうとすると、肉類をイメージする場合が多いのではないでしょうか。しかし肉類には脂肪やコレステロールも多く含まれているので、食べ過ぎると健康によくないのです。肉や魚よりも、豆腐からより多くのたんぱく質をとっている沖縄の食生活。私たちが健康な生活を送るためにも、とても参考になるのではないでしょうか。
イソフラボンの効果
ところで豆腐には、たんぱく質以外にも、体にいい栄養素が含まれています。 中でも、最近イソフラボンという成分が注目を浴びています。この物質は、女性ホルモンが低下した更年期の女性の骨粗しょう症を予防してくれることがわかりました。
その他にも、サポニンのように細胞が酸化されるのを防ぐ抗酸化成分が含まれていますから、動脈硬化やガンを予防するのに役立ちます。
カルシウムやマグネシウムが不足すると筋肉の収縮が悪くなって、心臓の働きに支障が出たり、血圧が上がったりすることがあります。また、カリウムは体内の余分な塩分を排出して、血圧を下げてくれます。
豆腐は、生活習慣病の予防や改善にも役立つのです。
豆腐と同じくヘルシーで栄養価の高い豆腐
健康ブームの中で一躍脚光を浴びるようになったのが豆乳です。大豆をつぶしてどろどろに煮た「呉」を絞ってできる汁が豆乳で、豆腐はこれににがりを入れて作ります。
中国では…
中国では、この豆乳を朝から飲む習慣がありました。いまでこそ豆乳は栄養価が高く、健康によいという評価が浸透していますが、数十年前までは、豆乳の存在を知る人はほんのわずか。豆腐屋さんだけが知っている隠れたすぐれものでした。
木綿豆腐を作る際の豆乳は大豆固形分が8~11パーセント。きぬごしは12~13パーセントと、やや濃度が高くなっています。豆乳は牛乳と同じ量のたんぱく質とビタミンB1を含んでいて、とても栄養価の高い飲み物です。豆乳は植物性食品ですから低カロリー。生活習慣病が気になる人や、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする乳糖不耐症の人でも安心して飲むことができます。
JAS(日本農林規格)の定めるところでは、大豆固形分8%以上のものを「豆乳」といい、6%以上8%以下のものを「調製豆乳」といいます。このほか、調製豆乳にコーヒーや果物、野菜などの味つけをした「豆乳飲料」もあります。
市販されているパック入り豆乳は、牛乳に似た濃度に薄めて調味料を加えた調製豆乳と、味をつけて飲みやすくした豆乳飲料に分けられます。これらの豆乳には、栄養価を高めるためにカルシウムやビタミンEを添加したものが多く出まわっています。
豆腐と同じくヘルシーで栄養価の高い豆腐
健康ブームの中で一躍脚光を浴びるようになったのが豆乳です。大豆をつぶしてどろどろに煮た「呉」を絞ってできる汁が豆乳で、豆腐はこれににがりを入れて作ります。
中国では…
中国では、この豆乳を朝から飲む習慣がありました。いまでこそ豆乳は栄養価が高く、健康によいという評価が浸透していますが、数十年前までは、豆乳の存在を知る人はほんのわずか。豆腐屋さんだけが知っている隠れたすぐれものでした。
木綿豆腐を作る際の豆乳は大豆固形分が8~11パーセント。きぬごしは12~13パーセントと、やや濃度が高くなっています。豆乳は牛乳と同じ量のたんぱく質とビタミンB1を含んでいて、とても栄養価の高い飲み物です。豆乳は植物性食品ですから低カロリー。生活習慣病が気になる人や、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする乳糖不耐症の人でも安心して飲むことができます。
JAS(日本農林規格)の定めるところでは、大豆固形分8%以上のものを「豆乳」といい、6%以上8%以下のものを「調製豆乳」といいます。このほか、調製豆乳にコーヒーや果物、野菜などの味つけをした「豆乳飲料」もあります。
市販されているパック入り豆乳は、牛乳に似た濃度に薄めて調味料を加えた調製豆乳と、味をつけて飲みやすくした豆乳飲料に分けられます。これらの豆乳には、栄養価を高めるためにカルシウムやビタミンEを添加したものが多く出まわっています。
年々増え続ける生活習慣病、その主な原因は肥満!
日本人の平均寿命(平成12年調べ)は、男性が77.64歳、女性が84.62歳と世界一の長寿を誇っています。しかし、その一方で
生活習慣病は年々増え続け、がん、心臓疾患、脳血管疾患などで亡くなる人も増える一方となっています。
こういった生活習慣病の予防を目指して厚生労働省は平成12年に健康づくりの指針である『健康日本21』を提唱し、10年にわたって様々な健康対策に取り組むこととなっています。
生活習慣病は、以前は成人病と呼ばれていましたが、成人以前の若年者に発症が増えていることに加えて、従来の成人病が生活習慣の改善で予防できることから、生活習慣病と、とらえられるようになり、呼び名も変わりました。
生活習慣病の範囲は次頁のとおりですが、食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒の生活習慣が発症に大きく関係していて、中でも食習慣は、すべての生活習慣病に程度の差はあれ関わることが強く指摘されています。
生活習慣病の範囲は次頁のとおりですが、食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒の生活習慣が発症に大きく関係していて、中でも食習慣は、すべての生活習慣病に程度の差はあれ関わることが強く指摘されています。
「日本人の平均寿命」それでも世界一の長寿国日本
「日本人の平均寿命」それでも世界一の長寿国日本
食生活が起因となっている疾患の一つに肥満があげられています。肥満は食事との関わりが深く、生活習慣病の主要な原因となるばかりでなく、関節などへの負担が大きくなることから腰痛、膝痛などの原因にもなります。また、肥満になると高血圧症になりやすいことも知られています。
正常者を100とした場合の死亡率
平成12年の国民栄養調査(厚生労働省生活習慣病対策室)によると、肥満人口(15歳以上)は2300万人で、男性が1300万人、女性が1000万人となっています。肥満者の割合は昭和55年の調査と比べると20代の男性では2倍近くとなっています。中でも男性は20代が18.6%、30代が
27.3%、40代が28.9%、50代が29.9%、60代が30.7%と、いずれの年代においても肥満率が高く、将来に生活習慣病が発症する危険性が懸念されています。
肥満者の判定は、BMI(Body Mass Index=体格指数)が使われ、日本肥満学会では25以上の場合を肥満としています。BMIは「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」によって算定します。
肥満の原因は動物性食品の摂りすぎです ハワイの日系人の心臓疾患の確率は日本人の2倍
肥満が急増した原因の一つは、食事で摂る動物性たんぱく質と脂質の増加です。適正な3大エネルギー源の割合は、糖質(炭水化物)50~60%、脂質
20~25%、たんぱく質15~20%とされています。国民栄養調査では総エネルギーに対する脂質の割合は26.9%と、適正範囲を上回っています。
肉食が多い日本人大学生では脂質摂取の割合は32%と、ハワイの日系人と同じくらいの脂質を摂っています。アメリカ人と似た食事をする機会が多いハワイの日系人が心臓疾患になる確率は日本人の2倍ほどとなっているだけに、将来の日本人の心臓疾患が急激に増えることが心配されています。脂質の摂取量を見ると、昭和25年から現在までの間に43g以上も増えています。
肥満というとエネルギーの摂り過ぎによって起こるものと考えられがちですが、1日のエネルギー量は国民栄養調査によると、平均所要量1847kcalに対して平均摂取量は1948kcalと100kcalほど上回っていて、平均充足率は105となっています(平均所要量と平均摂取量が等しい場合は
100)。また、肥満率が高い男性を見ても、エネルギー量の平均充足率は20~40代で100前後となっています。
では、何が肥満を増加させているのかというと、体脂肪(脂肪細胞にたまった脂肪)を増やす脂肪の摂取量が多く、逆に脂肪の燃焼を促進させるたんぱく質の摂取量が少ない食生活になっていることがあげられます。
たんぱく質は動物性と植物性とに分けられますが、動物性たんぱく質の多い食品、中でも肉類は高エネルギーの脂肪の割合が多いために太りやすくなっています。
脂肪のエネルギー量は1gあたり約9kcalと、糖質、たんぱく質の約4kcalに比べて2倍以上となっています。
糖質が体脂肪としてたくわえられるときには、糖質から脂肪へと異なるものに変化するために余分にエネルギーが使われます。その場合のエネルギーロス率は約20%となっています。それに対して脂質が体脂肪となるときには似たようなものに変化することからエネルギーロス率は2~3%となっています。このロス率の差があるために、脂質の多い肉類は、大豆や大豆製品(豆腐、納豆など)よりも太りやすく、肥満の要因になりやすい食品といえるわけです。
また、大豆には体内での熱産生を亢進させて、基礎代謝を高めることが知られています。若い肥満女性(標準体重の20%以上)について、大豆たんぱく質と牛乳たんぱく質を交換した食事で20日間にわたって比較したところ、体重減少は大豆たんぱく質食のほうが優位であったとの結果が出ています。
肥満者は血液中のコレステロール量、過酸化脂質が多いのが大きな問題です。
30才未満では日本人のコレステロール値はアメリカ人より高い
肥満者は、血液中のコレステロール量も多く、脂肪が酸化した過酸化脂質が多いことから、がんや、動脈硬化が要因となる心臓疾患、脳血管疾患も多い傾向になります。
過酸化脂質は、体内の脂肪が活性酸素によって酸化したもので、細胞を傷つけやすく、発がん物質が細胞に侵入しやすくなることから、がんの要因となっています。
動脈硬化は、血管壁が硬くなり、血管が狭くなり、弾力性が弱まるもので、血流が低下することから臓器の機能が低下したり、血栓ができた場合には狭くなった血管が詰まってしまうことにもなります。血栓で血管が詰まると、そこから先の血管に新鮮な酸素と栄養素が運ばれなくなって組織の一部が死んでしまったり、脳や心臓、腎臓などの働きが大きく低下して死に結びつくことにもなりかねません。
コレステロールは細胞膜の材料であり、ホルモンの原料ともなっています。コレステロールは脂質で、水成分の血液とはなじみにくいために、肝臓から血液中に放出されるときには、たんぱく質とリン脂質(レシチン)に包まれたリポたんぱくになっています。
コレステロールは細胞膜の材料であり、ホルモンの原料ともなっています。コレステロールは脂質で、水成分の血液とはなじみにくいために、肝臓から血液中に放出されるときには、たんぱく質とリン脂質(レシチン)に包まれたリポたんぱくになっています。
善玉コレステロールと悪玉コレステロール
このうちコレステロールの割合が高くて、全身の細胞にコレステロールを届ける役目をしているものをLDL(低比重リポたんぱく=悪玉コレステロール)、コレステロールの割合が低くて血液中で余分になったLDLを肝臓に運び去る役目をしているものをHDL(高比重リポたんぱく=善玉コレステロール)と呼んでいます。
血液中のLDLは、活性酸素によって酸化すると、白血球のマクロファージがこれを異物と認識して貪食(盛んに食べて処理)します。一定量を貪食したマクロファージは活動を停止して血管の内壁の中に入り込みます。これが続くと血管壁は硬くなり、弾力性が弱くなるとともに血管が狭くなっていきます。
LDLが悪玉コレステロールと呼ばれるのは、動脈硬化の要因になるからです。また、HDLは、LDLを運び去るから善玉コレステロールと呼ばれているわけです。
動脈硬化を防ぐには、血液中のコレステロールを減らすとともに、活性酸素を消去することが大切となります。
血液中のコレステロールのうち約3分の1は食事で摂ったものに由来していますが、残りの約3分2は肝臓で合成されたものです。糖質、脂質、たんぱく質を多く摂ると、それだけコレステロールが作られるようになり、血液中のコレステロール量も増加していくようになります。
心臓疾患は日本人では死因の第2位(約14%)となっていますが、アメリカではがんを超えて第1位となっています。心臓疾患とコレステロールとの関係は
1960年代から数多くの調査が行われ、明らかにされてきました。そして、コレステロールを減らす国民的な運動によって、アメリカ人の平均コレステロール値は年々下がる傾向にあります。
それに対して日本人のコレステロール値は年々上昇する傾向にあり、30歳以下ではアメリカ人よりも高くなっています。日本人は歴史的に低栄養のものを食べてきたことから、腸管での吸収率が高く、コレステロールも吸収されやすくなっています。
その結果、30年前には10倍もの開きがあった日本人とアメリカ人との心臓疾患での死亡率は、今では5倍ほどの差まで縮まっています。
血中コレステロールを低下させる大豆食品 レシチンとイソフラボン
大豆製品に含まれている食物繊維は、肝臓から分泌された胆汁酸を吸着して便とともに捨てる作用があります。胆汁酸はコレステロールから作られて十二指腸に分泌されるもので、脂肪の分解を助ける働きがありますが、用が済んだ胆汁酸は再吸収されて肝臓に戻るとコレステロールに再合成されます。胆汁酸が食物繊維によって体外に捨てられると、それだけ肝臓のコレステロール量が減り、血液中のコレステロールが肝臓へと入るために、LDLが低下していくというわけです。
また、大豆製品に豊富に含まれるレシチンはHDLの主要成分でもあり、血液中のコレステロール量を低下させることも知られています。
大豆製品には女性ホルモンと似た作用をするイソフラボンが豊富に含まれています。イソフラボンはゲニステイン、ダイゼインの形で含まれていますが、これらの成分には活性酸素を消去する作用が認められています。
こういったことから、大豆製品は動脈硬化を予防する作用が期待されているわけです。
豆腐に含まれる食物繊維は、1食あたり(半丁150g)で、1gに達していませんが、豆腐は食物繊維が比較的多い他の食品と一緒に摂ることが多くなっています。コレステロールを低下させるレシチンと、活性酸素を消去するイソフラボンが含まれていることもあり、さらに低エネルギーであって低脂肪であり、動脈硬化を予防するのに適した食品といえます。
活性酸素は電子のバランスが崩れた酸素のことで、体内では呼吸で取り入れた酸素のうち2~3%が細胞内でエネルギーを発生させたときに活性酸素となります。
活性酸素は、近くに細胞があると、そこから足りない電子を奪って安定な水に戻ります。安定な水になると、体に被害を与えることはありません。問題となるのは、活性酸素に電子を奪われた細胞が、ほかの細胞を次々と傷つけていくことです。
細菌は1個の細胞でできている単細胞で、活性酸素によって細胞膜の一つの分子の電子が奪われると、それを補うために内側の分子から電子を奪います。次々にバトンタッチ式に電子が奪われて、細胞核の電子が奪われると細胞は死滅することになります。
活性酸素が体内で多量に発生すると、自分の細胞を壊していくようになります。人間の体は60兆個以上もの細胞でできていて、それがつながっているために、破壊は一つの細胞では終わらず、接している細胞の電子が奪われていって、ドミノ倒し式に次々と破壊されていき、組織を傷つけていきます。こういったことから活性酸素は病気の90%以上に関係していると言われています。
呼吸した酸素の2~3%が活性酸素になるために、運動をすると呼吸量が増えた分だけ活性酸素の量も増えます。ジョギングで発生する活性酸素は平常時の10倍ほどにもなります。このほかにも体内で活性酸素を多く発生させるものとしては、農薬、食品添加物、化学物質、薬剤、水道水の塩素、紫外線、電磁波、放射線、排気ガス、タバコ、アルコール飲料、体の傷や炎症、ストレスなど数多くあります。これらを避けて暮らすことは不可能なことです。
また、成長期までは体内には活性酸素を消去するSOD酵素がたくさんありますが、加齢につれて減っていき、20代後半以降は活性酸素を充分に消去できなくなります。それだけに、活性酸素の被害を減らす工夫が求められます。
活性酸素に電子が奪われた細胞が、隣の細胞の電子を奪う前に、欠けた電子を与えれば細胞の連続した破壊を止めることができます。電子のバランスが崩れた細胞に電子を与えるものとしてはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEがあります。
動物性食品にはビタミンAの形で含まれていますが、植物性食品の場合にはβ-カロチンの形で含まれています。B-カロチンは体内でビタミンAが不足したときに、二つに分かれてビタミンAとして働くので、多く摂っても害はありません。そして、活性酸素に電子を奪われたあとに有害な形になることもありません。
ビタミンCとビタミンE
それに対してビタミンEは、活性酸素の消去によって電子が奪われると活性型ビタミンEに変化して、強い酸化力を持ち、活性酸素よりも細胞を破壊しやすくなるという難点があります。しかし、活性型ビタミンEは、近くにビタミンCがあると、ビタミンCから電子を受け取って正常なビタミンEとなります。
ビタミンCとビタミンEが同時にあると、活性型ビタミンEから正常な状態に戻ったビタミンEは再び抗酸化作用を発揮することから2倍の活性酸素を消去することができるようになるわけです。
電子が欠けたビタミンCには、体内に存在している還元型酵素が電子を与えます。そのためにビタミンCは常に正常な状態に戻ることができます。還元型酵素が働くためには補酵素としてのミネラルが必要で、そのミネラルとして亜鉛、銅、マンガン、セレン、鉄が知られています。
活性酸素から体の細胞を守るために、もう一つ威力を発揮するのは抗酸化成分と呼ばれる植物などの色素です。植物は紫外線を浴びて成長していますが、紫外線によって発生した活性酸素を消去するために抗酸化成分として色素をたくわえています。色素成分は人間の細胞よりも酸化しやすいために、この色素成分が含まれた食品を摂ることで活性酸素に電子を与え、細胞の酸化を防ぐことができるわけです。
大豆のたんぱく質は人間にとって必須なアミノ酸の20種類の全てが含まれて、量の比例的バランスがとれています。
また体の中で作り出すことが出来ない必須アミノさ酸も9種類が豊富に含まれています。
豊富に含まれるアミノ酸
大豆のたんぱく質は、人間にとって必要なアミノ酸の20種類がすべて含まれていて、量も比較的バランスが取れている良質なたんばく質です。また、体の中で作り出すことができないために食品から摂らなければならない必須アミノ酸も9種類が豊富に含まれています。
「たんぱく質」から「アミノ酸」へ
たんぱく質は筋肉や臓器など全身の細胞の構成成分であり、体を働かせるために細胞内で生化学反応を起こす触媒である酵素や、機能調整を行うペプチドホルモン、神経伝達物質、免疫物質などもたんぱく質からできています。体を構成しているたんぱく質は、常に合成と分解が繰り返されていて、体はいつも同じ状態であるわけではありません。
新陳代謝によって体の組織が更新される期間は部位によって異なり、期間が短い胃粘膜では2~3日、期間が長い部位になると2年間ほどで、平均すると70~80日間となっています。
分解によって失われたたんぱく質は、食べ物によって補われます。食品中のたんぱく質は胃で構成成分のアミノ酸に分解され、小腸から吸収されたあと血液中に入り、肝臓まで運ばれます。そして、アミノ酸は肝臓で体に必要な数多くの種類のたんぱく質に合成されます。たんぱく質はアミノ酸が数100~数1000個連鎖した高分子化合物です。
植物や動物に含まれるたんぱく質を摂っても体に必要なたんぱく質が作られるのは、この分解、合成の仕組みがあるからです。
体のたんぱく質を作る効率は食品に含まれるたんぱく質の種類によって異なり、その中に含まれるアミノ酸の種類と量によって決まってきます。そのため、必要とされるアミノ酸によって構成されたたんぱく質を毎日摂ることが大切となります。
体に必要なアミノ酸は全部で20種類ありますが、そのうち9種類は人間の体では合成することができず、食品から摂らなければならないので「必須アミノ酸」と呼ばれています。
大豆のアミノ酸スコア・・・「100」
アミノ酸スコアとは…
必要とするたんぱく質を効率的に摂るためには、良質なたんぱく質を摂ると同時に、必要なアミノ酸が摂れる食品を組み合わせることが大切です。
特定の食品に含まれる必須アミノ酸の構成比から栄養価を判断する方法がありますが、これによって算出された数値を「アミノ酸スコア」といいます。これは各アミノ酸が基準値に対して、どれくらいの割合(%)含まれているかを示すもので、各必須アミノ酸が100に達したものが良質なたんぱく質ということになります。
100に満たないものを制限アミノ酸といい、数値の低いものから第一制限アミノ酸、第二制限アミノ酸と順番に呼びます。
大豆のアミノ酸スコアは100となっています。また、大豆を原料とする豆腐のアミノ酸スコアも100となっています。{FAO/WHO/UNU(1985)}
不足するアミノ酸
他の食品のアミノ酸スコア
必須アミノ酸が一つでも不足すると
たんぱく質のし栄養価はその不足レベルまで低下します。
必須アミノ酸が一つでも不足すると、その不足したレベルまで他のアミノ酸が働かなくなります。このことを理解するために、よく用いられるのが「桶のモデル」です。桶を作る板の長さが、必要とするだけの長さに達していれば桶には水を並々と入れることができます。ところが、板の長さが1本だけ短くても、その長さまでの水しか入らなくなります。大豆のアミノ酸スコアが100だということは、すべての板の長さが必要とされる100%か、それ以上となることを示しています。
基準アミノ酸パターン *バランスよく含まれている場合の基準値
不足するアミノ酸
美容・更年期障害
顔面紅潮
ボローニャ大学(イタリア)
大豆タンパクは女性の閉経期と閉経期後の顔面紅潮を緩和させる可能性が高い。 *43~62才の104人の女性に大豆タンパク60gを12週間投与
レシチン、GMIガングリオシド およびコレステロールよりなる脂質とケラチン細胞の相互作用
イタリアミラノ大学医学部医科学 ピット氏
ケラチン細胞の増殖に対する栄養成分として納豆にも含まれる大豆レシチンの役割が重要であることが判明している。
ビタミンB1
カネボウ研究所 丹野氏
ビタミンBはセラミド新生を活性化させることによって肌の潤いを保ち、乾燥や外部刺激などに対するバリアを強化する。
食物繊維
カネボウ研究所 丹野氏
ビタミンBはセラミド新生を活性化させることによって肌の潤いを保ち、乾燥や外部刺激などに対するバリアを強化する。
食物繊維
サウスバンク大学(イギリス) フードリサーチセンター(ブラックウッド)
食物繊維は必要な栄養だけ吸収し、不要な食物の吸収を抑えます。また胆汁酸の排出を促してくれるのでコレステロールの減量にも役立ちます。
さらに発ガン性物質を不活性化して排出してくれるのでガンの予防効果もあります。
イソフラボン
東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科
食事に含まれるdaidzeinやgenisteinといったイソフラボンが生体に及ぼす影響は、予防医学の分野で注目を集めている。われわれは、日本人女性が食事によりイソフラボンをどれくらい摂取しているかということを、食事日記から調べ、その値を、血清濃度および尿中排泄量と比較した。
daidzeinとgenisteinの食事からの摂取量は、それぞれ16.4と30.1 mg/day/capitaであった。食事によるイソフラボンは、ほとんど豆腐、味噌、納豆からのものである。
血清daidzein濃度および血清genistein濃度の中間値は、それぞれ72.46と206.09 nmol/Lであった。
尿中排泄量の中間値はdaidzeinで20.54 μmol /day、genisteinで10.79μmol /day、equolで15.74μmol /day、O-desmethylangolensin
(O-DMA)で1.64μmol /dayであった。
equolおよびO-DMAは全参加者のうち、それぞれ50%と84%で、排泄が見られた。equol排泄者では、血清daidzein値、尿中daidzein値および尿中O-DMA値が著しく低値であった。
食事によるgenisteinおよびdaidzeinの摂取量は、全エネルギー摂取量で調整すると、尿中排泄量および血清濃度と強い相関があることがわかった(尿中排泄量との相関係数rは、daidzeinでr = 0.365
、genisteinでr = 0.346、血清濃度ではdaidzeinでr = 0.335 、genisteinでr =
0.429)。また、血清イソフラボン濃度、尿中イソフラボン排泄量との間には、やはり相関が見られた。
これらの結果より、血清イソフラボン濃度あるいは尿中イソフラボン排泄量の測定は、疫学研究において、イソフラボン摂取のバイオマーカーとして有用であり、イソフラボンと健康との関係を研究する上で重要な方法であると結論できる。
ガン予防・抑制
大豆イソフラボノイド
愛媛大学
大豆タンパクは女性の閉経期と閉経期後の顔面紅潮を緩和させる可能性が高い。 *43~62才の104人の女性に大豆タンパク60gを12週間投与
レシチン、GMIガングリオシド およびコレステロールよりなる脂質とケラチン細胞の相互作用
イタリアミラノ大学医学部医科学 ピット氏
大豆イソフラボノイドアグリコンのゲニステインとダイゼインはマウス肝細胞のニソロソームにおけるチトクロームp-450の成分を増やす。
トリプシン抑制活性化
琉球大学
日本の大豆製品におけるトリプシン抑制性活性化
イソフラボン
金沢大学 (亀田博士)
大豆イソフラボンの制ガン作用
癌学調査
国立岐阜大学
国立岐阜大学の癌学調査により大豆製品が胃ガンの予防・抑制に有効であるということが判明した。
アメリカ人と日本人の発ガン率比較
カリフォルニア予防医学研究所 ディーンオーシュ博士
日本男性はアメリカ人男性に比べ前立腺ガンにかかる確率が1/4だそうです。アメリカに移住すると日本人男性も前立腺ガンにかかり死亡する確率が急激に上がる。これは日本人がアメリカ人よりも大豆製品を多く食べているからではないかと考えられています。
大豆に含まれるフイトエストロゲンとイソフラボンというフラノボイドの一種の色素成分により制ガン作用などに有効といわれています。
ゲニステイン
南カリフォルニア大学医学部 エイミー・リー博士
ねずみを使った実験・研究によると大豆に豊富に含まれるイソフラボンの一種であるゲニステインにはガン細胞の繁殖を抑える作用がある。
またリー博士によるとアジア人が大豆をアメリカ人の20~30倍食べることが乳ガン、大腸ガン、前立腺ガンの予防になっているのではないかと推測している。
イソフラボン
ゲニスティン ダイゼイン ハワイガン研究所(1997年)
ゲニスティンやダイゼインなどの大豆に含まれるイソフラボンは子宮ガン、肝臓ガン、乳ガン、大腸ガンに効果があるといわれている。
日本人の食事によるイソフラボン摂取とその摂取元
名古屋薬科工学予防医学科(江上/加藤/河村他)
日本人のイソフラボン(ダイゼン/ゲニスティン)の摂取とその摂取元を食事記録に基づいて調べた。(男女88人)
トリプシン抑制性活性
琉球大学医学部栄養学科
既に動物研究で大豆のトリプシン抑制剤(TI)の効果は報告されている。大豆製品は大豆の2.5%~12.5%TI活性値を有しており人間は活性TIのいくらかを日常生活において消費している。
乳ガン
自治医大
マウス乳ガンにおける大豆イソフラボンによる抑制効果
乳ガン/大腸ガン
県立姫路工業大学 環境人間学部 実践女子大学生活科学部
植物性たんぱく質摂取が乳ガン死亡率に及ぼす影響についての時系列解析
動物性たんぱく質摂取が大腸ガン死亡率に及ぼす影響についての時系列分析
乳ガン/大腸ガン
県立姫路工業大学 環境人間学部 実践女子大学生活科学部
植物性たんぱく質摂取が乳ガン死亡率に及ぼす影響についての時系列解析
動物性たんぱく質摂取が大腸ガン死亡率に及ぼす影響についての時系列分析
性ホルモンの食事による影響 <前立腺ガン他>
タスマニア大学生物医学学校(オーストラリア)
15人の健康な男性に協力してもらい、食後に、血中のテストステロン(男性ホルモンのひとつ)、性ホルモン結合タンパク(sex hormone binding
globulin[SHBG])、遊離アンドロゲン(男性ホルモンの総称)を測定して、食事内容がこれらの値に与える影響を調べました。
比較のために食事は等カロリーとし、たんぱく質や脂肪がいろいろな比率で含まれる混合食を食べてもらいました。被験者には、次の4種類の試験食を、ランダムな順番で食してもらいました:赤身肉、豆腐(どちらもおよそ20%のエネルギーに相当する脂肪分を含みます)、動物性脂肪を加えた肉、紅花油を加えた肉(どちらもおよそ54%のエネルギーに相当する脂肪分を含みます)、の4種です。
脂肪分の少ない食事後では、動物脂肪添加食後に比べ、2時間後の血清テストステロン値も、基礎値からの変位も、著しく減少していました。また、血中テストステロンの基礎値からの減少面積が最も少なかったのは、動物脂肪添加食の食後でした。
人類は飽食の時代を迎え、「食後」という状態が一日の大きな部分を占めるようになってきています。低動物脂肪食により、食事後、低性ホルモン状態であることは、前立腺がんのような性ホルモンと関係のある疾患の危険を減らすことができるという点で、長期的には有益であると考えます。
胃ガン
名古屋市医科大学 公衆衛生学科
食事、飲酒、及び喫煙習慣が、胃がんの発症に寄与するということは明らかになっていますが、それらが胃がんの予後にも影響するということに関してはほとんど分かっていません。この問題を調べるために、愛知県がんセンター研究所・病院のデータを使って、予後分析を行いましス。1988年1月から1994年12月までの、877人の胃がん患者(男性578人、女性299人)ついて、喫煙・飲酒・食習慣、がんの組織学的グレード・臨床病期、追跡調査等の情報を集めました。
全患者の生存状況は、1998年12月までフォローアップし、生存関数はKaplan-Meier法で評価しました。胃がん死に対する、生活習慣に関する上記項目の影響の評価には、比例危険分析という手法を用いました。年齢、性別、組織学的グレード、病期による調整を行った後、危険率(Hazard
Ratios : HR)を計算しました。
週に三度以上の生野菜(HR=0.74)、豆腐(HR=0.65)あるいは鶏肉(HR=0.61)の摂取は、胃がん死の危険が著しく低下することが示されました。一方、喫煙習慣に対する危険率は2.53であり、喫煙者と胃がん患者の生存率の間には、負の相関が見られました。
これらのことより、生野菜や豆腐をよく食べることは胃がんの予後を良好にし、他方、喫煙は、これを悪くするということが示されます。本研究は、日本人の胃がん生存率が、生活習慣の改善により向上させうるということ示唆しています。
抗ガン
アメリカペンシルバニア大学 医学部放射線腫瘍学(ケネディ)
大豆に含まれる抗ガン作用を持つ成分
骨粗しょう症予防・抑制
骨粗しょう症
日本栄養科学会
更年期女性におけるイソフラボンの摂取が骨粗しょう症に有効
骨量減少抑制
Eudocrluology 食品科学部
大豆に含まれるイソフラボンが閉経後骨粗しょう症モデルコウスの骨髄βリンパ球の蓄積と骨量減少を抑制すること。またこの作用は大腿遠住海面の破骨細胞数の減少により発現されることを明らかにした。
骨代謝調節機序
岐阜大学医学部(森田他)
大豆由来イソフラボンによる骨代謝調節機序
骨の力
イリノイ州立大学 Lisa Ianucci
豆腐や豆乳など大豆を使った商品が骨の形成維持に大変有効であるという新しい研究発表がなされた。60人以上の閉経後の女性を対象としたところ大豆を
使った食品を食べていた女性数人の骨中に失われたカルシウムが戻っているのが判った。
骨損失予防効果
フジッコ株式会社
3種の新しい6-O-アシル-イソフラボングリコシドを納豆から単離し、それらを、化学修飾とスペクトルのデータから、・ダイゼイン7-O-β-(6''-O-スクシニル)-D-グルコシド、・ゲニステイン7-O-β-(6''-O-スクシニル)-D-グルコシド、・グリシテイン7-O-β-(6''-O-スクシニル)-D-グルコシドと同定した。
大豆でも大豆抽出液でも、その醗酵の間に、イソフラボングリコシド含有量は、一旦減少しその後上昇したのに対し、イソフラボンの6''-O-スクシニル誘導体は、逆にはじめ蓄積しその後減少した。
これらの変化から、イソフラボングリコシドと、対応する6''-O-スクシニル誘導体とは、発酵中これらの培地中で、酵素的に相互に変換されることが示唆される。
.6-O-スクシニルイソフラボン・・・は、商用納豆に含まれる全イソフラボンの、それぞれ4.8%、7.2%、0.6%であった。
無カルシウム食を与えて育てた卵巣摘出ラットに、・あるいは・を、単独で4週間、一日あたり50mg/kg経口投与したところ、骨損失の抑制が見られた。
・はダイゼインと同じように、プロエストロゲン様の作用をもち、骨に直接働きかけることによって骨の再吸収を抑制し、卵巣摘出ラットの骨損失を抑制するものと考えられる。他方・は、ゲニステインのように、これとは異なる作用機序で働いているらしい
老化・ぼけ防止
健忘症マウス実験
ヤクルト研究所 静岡大学
健忘症マウスに対する大豆レシチン脳質内注入の効果
レシチン
ヒギンス
痴呆、認識障害に対するレシチンの効果
成人病予防・抑制
動脈硬化抑制
キッコーマン(14)研究開発事業部 山越氏
イソフラボンアグリコンに富んだ大豆抽出液はコレステロールを与えたウサギの動脈硬化を抑制する。
肝機能障害
京都大学大学院 人間環境学研究課
イソフラボンはガン予防、骨粗しょう症予防にも有効だが他に高血圧に伴っておこる肝機能障害にも効果。
コレステロール抑制
岐阜大学 厚生労働省
高山市の男性12,442名、女性3,596名を対象とした共同研究によると大豆食品を沢山食べる人ほどコレステロール値が低いことが判明。
動脈硬化抑制
九州大学大学院 生物資源環境科学研究科
大豆たんぱく質によるアポE欠損マウスの動脈硬化進展の抑制機構。
心臓血管
中国ノーマンベザン医科大学 生化学科
大豆サポニンの心臓血管系に対する効果およびそのモノアミン系神経伝達物質との関係
鬱血性心不全の危険因子に対する豆腐の効果
ディーキン大学 生物学化学部(オーストラリア)
目的
肉を豆腐で代用した場合に、虚血性心疾患の危険因子(血清リポ蛋白、フィブリノーゲン、酸化LDLなど)にどのような効果があるかを調べることです。
方法
無作為横断食事介入研究という疫学的手法により分析しました。
被験者
35歳から62歳までの健康な男性45人に協力してもらい、食事介入実験を行いました。このうち3人の被験者はノンコンプライアント(非協力的)
であったので、分析に先立って、データからはずしました。
食事介入実験
1日あたり150gの肉を含む食事と、250gの豆腐を含む食事とを比較しました。もちろん、摂取カロリーとタンパク質量は同じにしてあります。
実験期間は1ヶ月としました。
結果
1週間毎の食事記録を分析すると、どちらの食事も、エネルギー、タンパク質、炭水化物、脂質、飽和脂質―不飽和脂質比、アルコール、
食物繊維などの点では、同じ様なものでした。しかしながら、豆腐食では肉食に比べて、総コレステロール値、トリグリセリド値ははるかに低く、
試験管内でのLDLコレステロール酸化実験では、著しく酸化を抑制しました。血液動態に関わる因子、第VII因子やフィブリノーゲン、
あるいはリポ蛋白(a)に関しては、豆腐食による影響は少なかったようです。
結論
LDLコレステロールの酸化が抑制されることから、豆腐食が、虚血性心疾患の危険率を下げることが期待されます。
心臓病
タクツ大学 加齢センター(リヒテンシュタイン)
大豆タンパク、イソフラボン、および心臓病発症のリスク
老化・ぼけ防止
イソフラボンの肝機能障害抑制効果
京都大学大学院
大豆イソフラボンはガン予防、骨粗しょう症予防にも有効だが他にも高血圧に伴っておこる肝機能障害にも効果。
その他薬効・効用
中国(中華人民共和国)成人における豆腐消費と血中鉛濃度
ハーバード大学 公衆衛生学部環境衛生学科
豆腐は中国で一般に食されている食べ物です。豆腐は、カルシウムを多く含むため、鉛が体内に吸収・蓄積されるのを抑制すると言われています。
今回の研究で、私たちは中国Shenyangの成人における豆腐消費量と血中鉛濃度とが関係づけられるかどうか、調べました。
1996年から1998年にかけての母子保健に関するコホート研究の一環として、605人の男性と550人の女性に参加してもらい、食事記録の記入と、
血中鉛レベルの測定をしてもらいました。平均血中鉛濃度は、男性で13.2μg/dl、女性で10.1μg/dlでした。血中鉛濃度は、男性でも女性でも、
豆腐消費量と負の相関関係にありました。男女それぞれにおいて、豆腐消費量の高いグループでは、血中鉛濃度に3.7%(0.7μg/dl)の減少が見られました。
豆腐消費量の最も高かったグループ(消費量週750g以上)では、最も低かったグループ(消費量週250g以下)に比べて、11.3%も低いレベルにありました。
データは、すべての回帰モデルで、性別、年齢、身長、ボディマスインデックス、地域、喫煙、飲酒、教育水準、職業、ビタミンサプリメントの服用、季節、
魚、野菜、肉、卵、牛乳等の摂取、といった項目に関して調整してあります。
以上のことから、本研究の結論は、豆腐の消費量と血中鉛濃度とに、著しい負の相関関係が見られたということになります。
大豆サポニン
富山医科大学ウィルス学研究室
大豆サポニン・のウィルス増殖抑制効果
胃ガンの予後に食事、飲酒喫煙習慣が及ぼす影響
名古屋市医科大学 公衆衛生学部
食事、飲酒、及び喫煙習慣が、胃がんの発症に寄与するということは明らかになっていますが、それらが胃がんの予後にも影響するということに関してはほとんど分かっていません。この問題を調べるために、愛知県がんセンター研究所・病院のデータを使って、予後分析を行いました。1988年1月から1994年12月までの、877人の胃がん患者(男性578人、女性299人)ついて、喫煙・飲酒・食習慣、がんの組織学的グレード・臨床病期、追跡調査等の情報を集めました。
全患者の生存状況は、1998年12月までフォローアップし、生存関数はKaplan-Meier法で評価しました。胃がん死に対する、生活習慣に関する上記項目の影響の評価には、比例危険分析という手法を用いました。年齢、性別、組織学的グレード、病期による調整を行った後、危険率(Hazard Ratios : HR)を計算しました。
週に三度以上の生野菜(HR=0.74)、豆腐(HR=0.65)あるいは鶏肉(HR=0.61)の摂取は、胃がん死の危険が著しく低下することが示されました。一方、喫煙習慣に対する危険率は2.53であり、喫煙者と胃がん患者の生存率の間には、負の相関が見られました。
これらのことより、生野菜や豆腐をよく食べることは胃がんの予後を良好にし、他方、喫煙は、これを悪くするということが示されます。本研究は、日本人の胃がん生存率が、生活習慣の改善により向上させうるということを示唆しています。
肝臓病予防における大豆食の効果
サウスダコタ医科大学内科学退役軍人管理医学センター
背景
Zuckerという種類のラットにおいて、肥満の結果として高血圧、高脂血症、多尿、高インスリン血症、糸球体肥大、そして、ついには腎糸球体障害
および腎不全に至るという病態が観察されています。一方、他の研究のデータからは、大豆食が、腎臓病を予防することが示唆されています。
方法
5週齢の肥満ラットに、タンパク源として大豆かカゼイン(牛乳やチーズに含まれる)を含む食餌を与え、24週齢まで観察しました。6週齢の時と、
その後は4週間ごとに、血圧の測定(測定部位は尾)と24時間の蓄尿、および尾からの静脈血採取を行いました。観察期間の終了時に、
披見ラットの腎臓を摘出し、固定・剥切し、顕微鏡で組織観察を行いました。
結果
どちらのグループでも同じくらいの割合で体重増加、高血圧、高インスリン血症が見られました。糸球体ろ過量
(=クレアチニンクリアランス;腎臓の機能が悪くなるほど値が下がります)についても、実験期間を通じて、どちらのグループも似たような値で、
また、どちらのOループのラットも、同程度の糸球体肥大を呈していました。高トリグリセリド血症(高脂血症のひとつ)については、
カゼイングループに比べて大豆グループのほうで、やや高度でした。しかしながら、大豆グループのラットでは、実質上完全に、
高コレステロール血症(主にLDLおよびVLDLコレステロール)を抑制し、蛋白尿や糸球体障害の発症を遅延させました。
結論
この実験モデルでは、大豆食による腎臓病予防効果の重要な要素が、高コレステロール血症の抑制と関係があるということが、データから示唆されます。
そのほか、腎毛細血管圧や抗酸化成分などの、本実験で未測定のデータが、大豆の腎臓病予防効果に寄与しているということも考えられます。