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急場しのぎの智恵から生まれた実だくさんのけんちん汁

だいこんやにんじん、里いもなどの野菜の中にくずした豆腐が入ったけんちん汁。寒い冬の日にいただく熱々のけんちん汁は、身も心もホカホカに温めてくれます。 実はこのけんちん汁、偶然にもでき上がった料理のひと品であるのをご存じでしょうか。

けんちん汁 発祥の地

この料理の発祥の地は、古都・鎌倉にある建長寺といわれるお寺です。
ある日、このお寺で法要が営まれました。寺の奥では、料理番の僧らが食膳用の料理を行っていましたが、予想を上回る大勢の来客があったために、精進料理の豆腐が足りないことが途中で判明しました。

困り果てた料理番の僧たちは、何とかこの急場をしのがなければなりません。智恵をしぼったところ、ある僧が豆腐をくずして使うことを思いついたのです。さっそく豆腐をくずして野菜と一緒に実だくさんの汁ものをつくって出したところ、これがたいそうな評判となりました。

ピンチヒッターでできたこの汁ものが、やがて「建長汁」と呼ばれるようになり、またたくまに広がっていったのです。「けんちん汁」という呼び名は、この「建長汁」がいつしかなまったものと推測されています。
僧侶の急場しのぎの智恵が、このようなおいしい一品を生み出し、今日まで伝わっているのです。

ところで、豆腐発祥の地・中国にも実は「けんちん」なるものがあります。漢字では「巻繊」あるいは「巻煎」と表記するのですが、こちらは汁ものではなく、揚げ物になります。中国のけんちんは、細かく切った野菜とくずした豆腐を炒めて、それを湯葉で巻いて揚げるのです。

こうしてけんちん汁のルーツをたどってみても、豆腐がいかに柔軟性に富んだ食材であるかがよくわかります。

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