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豆腐を擬人化したユニークな物語。これをどう読み解く?

「豆盧子柔伝」とは…

豆腐の由来を書いた中国の古い本に、『豆盧子柔伝(とうろしじゅうでん)』というのがあります。 この物語には、達磨大師と、その弟子に志願した豆腐が登場します。達磨大師は、紀元1世紀に南インドに生まれ、のちに中国にわたって禅宗の始祖となった人物です。

物語はすべてが擬人化されていて、それがこの作品を非常にユニークなものにしています。ある日、達磨大師のもとに弟子入りを申し出た豆腐が、素直で立派な人物であるのを師が見抜き、皇帝に豆腐を推薦することになります。この推薦の辞が、なかなかにふるっているのです。

「この者は身分は低いが、非常に潔白な性格で、混じりけのない心の美しさを持った者であり、世間一般の人と比べて味加減が超越しているというか、食べ物にたとえるならば、高級な神饌(供え物)のような人物なのです。……一度お使いになってみてはいかがでしょうか」

こうして皇帝に仕えることになった豆腐ですが、ある日、彼が差し上げたものを食べた皇帝の腹の具合が悪くなり、やがて罷免されることになるというのがあらすじです。

この作品の難しさは、表面に書いてある事柄からその裏の意味をくみ取るところにあります。豆腐が達磨によい食品であると認められ推薦されたことや、豆腐が生姜と一緒に食べるとよいなどは比較的わかりやすい箇所といえますが、擬人化された豆腐ゆえに、全体の真意が難解になっています。

達磨大師がインドの豆腐作りを中国に広めた説は疑わしいところですが、豆腐と達磨を登場させることによって、豆腐が禅宗の僧侶たちと深い関係にあったことが読み取れます。

物語はフィクションですが、擬人化に込められた真実をひもとく楽しさに満ちた、不思議な作品に仕上がっています。

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