中国(中華人民共和国)成人における豆腐消費と血中鉛濃度
ハーバード大学 公衆衛生学部環境衛生学科
豆腐は中国で一般に食されている食べ物です。豆腐は、カルシウムを多く含むため、鉛が体内に吸収・蓄積されるのを抑制すると言われています。今回の研究で、私たちは中国Shenyangの成人における豆腐消費量と血中鉛濃度とが関係づけられるかどうか、調べました。
1996年から1998年にかけての母子保健に関するコホート研究の一環として、605人の男性と550人の女性に参加してもらい、食事記録の記入と、血中鉛レベルの測定をしてもらいました。平均血中鉛濃度は、男性で13.2μg/dl、女性で10.1μg/dlでした。血中鉛濃度は、男性でも女性でも、豆腐消費量と負の相関関係にありました。男女それぞれにおいて、豆腐消費量の高いグループでは、血中鉛濃度に3.7%(0.7μg/dl)の減少が見られました。豆腐消費量の最も高かったグループ(消費量週750g以上)では、最も低かったグループ(消費量週250g以下)に比べて、11.3%も低いレベルにありました。データは、すべての回帰モデルで、性別、年齢、身長、ボディマスインデックス、地域、喫煙、飲酒、教育水準、職業、ビタミンサプリメントの服用、季節、魚、野菜、肉、卵、牛乳等の摂取、といった項目に関して調整してあります。
以上のことから、本研究の結論は、豆腐の消費量と血中鉛濃度とに、著しい負の相関関係が見られたということになります。