カルシウム
骨を構成する主成分たんぱく質と一緒に摂ると吸収率が高まります
骨は固定されたものではなく、常に壊され、新しく作り直されています。骨を壊す役目をするのは破骨細胞で、この働きは成人以降はほぼ一定のスピードとなっています。それに対して骨を作る役目をするのは骨芽(増骨)細胞で、こちらが骨を作るスピードは成長期以降は徐々に減る傾向になります。破骨細胞の働きよりも、骨芽細胞の働きのほうが遅くなったときには、骨の主成分であるカルシウムは減る一方になり、骨粗しょう症に向かっていくことになります。カルシウムは、たんぱく質と一緒に摂ると吸収率が高まります。豆腐には、たんぱく質が豊富で、カルシウムの量が多いことから、カルシウムを体内に摂るには適した食品だといえます。骨芽細胞の働きは、体を動かして骨に適度なショックが加わることで高まっていきます。逆に運動不足や寝たきり状態で骨が受けるショックが少ないと、骨は弱くなる一方となります。骨粗しょう症の予防には、カルシウムの補給はもちろんのこと、運動も必要だということです。
たんぱく質
骨を作る重要な土台・カルシウムと同時に摂ると骨を強化します
骨の25%ほどはたんぱく質で、たんぱく質が網目状になっている間にカルシウムなどのミネラルが埋められていって骨が形成されています。骨を丈夫にするにはカルシウムの補給は欠かせませんが、同時にたんぱく質も必要です。豆腐の材料である大豆は、たんぱく質が豊富で、しかもたんぱく質を構成するアミノ酸20種類がすべて含まれています。たんぱく質と同時にカルシウムが摂れる豆腐は、骨の強化に役立つ食品です。
ビタミンK
骨にカルシウムを定着させて骨から溶け出て行くのを抑えます
体内にカルシウムを摂り込み、骨にカルシウムが定着するのを助けるとともに、骨からカルシウムが出て行くのを抑える作用があります。ビタミンKが足りていれば、骨の形成が進んで、骨粗しょう症を予防することができます。体に必要な量の半分ほどは腸内細菌によって作られますが、半分は食品から摂らなければならないので、ビタミンKが豊富な食品を摂ることが大切です。
イソフラボン
女性ホルモン様作用によりカルシウムの減少を抑え骨密度を高めます
大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする女性ホルモン様作用があります。骨密度は体内のエストロゲンの減少と関係していることから、イソフラボンを摂ることで、骨粗しょう症を予防することができます。イソフラボンは、体内でエストロゲンが不足したときに、女性ホルモン様作用を強く発揮します。エストロゲンを薬剤などで摂りすぎると乳がんの発生率が高くなりますが、イソフラボンは不足したときに威力を発揮するので摂りすぎの心配はありません。逆に、イソフラボンは乳がんの予防に有効だという報告もされています。