

コリン
記憶と学習に関する神経伝達物質の材料アルツハイマー型痴呆を改善します
記憶と学習に関係する神経伝達物質のアセチルコリンは、脳の中でコリン・アセチルトランスフェラーゼという酵素によって、食品から摂ったコリンとアセチルCoA(活性酢酸)が合成することで作られています。コリンは水溶性のビタミンの一種で、大豆のほか卵黄、レバーに豊富に含まれています。
食事から摂るコリンが多くなると、アセチルコリンの合成が促進され、神経伝達も促進されていきます。コリンを多く摂るとアルツハイマー型痴呆の状態が改善されることが、複数の研究機関の研究によって確認されています。
食品から摂るコリンが不足すると、脳の細胞膜に含まれているコリンが分解されて、アセチルコリンの材料となっていきます。慢性的に食品から摂るコリンが不足していると、記憶と学習の能力が低下するばかりか、脳細胞が破壊されていきます。アルツハイマー型痴呆で脳が萎縮していくのは、コリンを取られて脳細胞が破壊されるためではないか、という見方もあります。
レシチン
血管に沈着するコレステロールを減少、脳血管性痴呆を予防します
細胞膜や脳、神経組織の構成成分となっているリン脂質で、血液中のコレステロールを肝臓に運び、血管に沈着するコレステロールを減らします。このことによって動脈硬化を予防し、脳血管疾患を予防することから脳血管性痴呆の予防にもつながります。
ビタミンE
活性酸素を消去、脳血管の弾力性を高めます
ビタミンEは活性酸素を消去する作用があり、細胞の老化を防ぐとともに細胞の再生を促進することから、全身の血管の健康を保ってくれます。もちろん脳血管の老化を防ぐ効果もありますが、さらに毛細血管の弾力性をよくして血流をよくする作用もあります。
リノール酸
血液中のコレステロールを減少させ血管の老化を予防
不飽和脂肪酸のリノール酸は大豆製品のほかに多くの植物油に含まれています。血液中のコレステロールを肝臓に運ばせて低下させる作用があり、血管の老化を予防します。リノール酸は活性酸素によって酸化しやすいので、抗酸化作用のあるビタミンE、サポニン、イソフラボンなどと摂ることが大切で、豆腐には、これらの成分が含まれています。
たんぱく質
血管を丈夫にして傷んだ血管を再生します
たんぱく質は全身の細胞を作る材料であり、多く摂ることで細胞の再生が進められますが、血管を丈夫にして、傷んだ血管の再生にも欠かせません。たんぱく質は胃で消化されると構成成分のアミノ酸に分解され、アミノ酸は肝臓で体に必要なたんぱく質に合成されていきます。豆腐はアミノ酸バランスがよく、血管が必要とするたんぱく質を作りやすくなっています。
カルシウム
神経伝達を補助して記憶と学習に関する神経伝達を促進します
神経伝達物質は、それを補助する物質があって伝達が促進されますが、その役目をするミネラルがカルシウムです。カルシウムが不足すると神経伝達がスムーズにいかずイライラしてきますが、それと同時に記憶と学習に関わるアセチルコリンの伝達もうまくいかなくなり、記憶力の低下が進みやすくなります。豆腐はカルシウムが豊富で、消化、吸収もよいことから、カルシウム摂取に適した食品の一つです。
ビタミンK
カルシウムを骨に定着させて神経伝達をスムーズにさせます
骨にカルシウムが沈着するのを助けるとともに、骨からカルシウムが溶け出るのを抑える作用もあります。食事で摂ったカルシウムは、いったん骨に吸収され、血液中に不足すると必要量が溶け出て行くので、骨にカルシウムを定着させていくビタミンKは神経伝達をスムーズにすることにも役立ちます。
サポニン
活性酸素を消去させて脳血管の動脈硬化を予防します
細胞膜を酸化させて老化を進める過酸化脂質を抑制するとともに、血液中のコレステロールを低下させる作用があります。コレステロールは活性酸素によって酸化すると動脈硬化の要因となり、脳血管の障害から脳血管性痴呆にもつながります。その予防にサポニンは役立ちます。
イソフラボン
活性酸素を消去させてコレステロールの酸化を予防します
大豆に多く含まれているフラボノイドの一種で、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)と似た働きをする女性ホルモン様作用がありますが、そのほかにも活性酸素を消去する作用が認められています。活性酸素は血管や脳の細胞を傷つけるだけでなく、コレステロールを酸化させることで動脈硬化も進めていくので、活性酸素の消去は血管痴呆の予防には欠かせない作用となっています。